厳冬期シュラフの選び方

厳冬期にテント泊、キャンプをするためのシュラフが無いことに気づいた。。。

2018年現在、シュラフも品切れが相次いでいるので2ヶ月から3ヶ月前までには手に入れておいたほうがいい。

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シュラフ選びの観点

氷点下15度で2度対応のシュラフで寝たことがあるので寒さの辛さは人一倍知っているつもりだ。

シュラフ選びは気温(どこに行くのか)、重さ、コストで選ぶことになる。

基本的には軽くするとダウンの性能(FP)を上げることになるため価格も上昇する。

どこに行くか

最低温度をどう定義するかだ。

標高によって気温は異なるので幅広い標高を移動する人は最大公約数的な選択になるので最低温度に合わせた選択をするか複数の種類を保つ必要がある。

私の経験では想定最低気温+10度のシュラフがあれば快適に過ごせる。

ULな観点と工夫

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春夏用ダウンと厳冬期ダウンの差

シュラフ選びの際に○○FP(フィルパワー)という表記をよく見るが、これはダウンの膨張率を示したものでFPが高いほど温かい。

これは事実600FPと900FPの違いは暖かさも、ダウンの量自体も一目瞭然である。600FPで900FPの暖かさを維持する場合は1.5倍のダウン量になる。

FPの最大値は800〜900程度で高品質ダウンに分類され価格も5万以上になることが多い。
そのため、900FPを最大とした場合グラムあたりで保温できる熱力は決まっているのでメーカによる重量の差は高品質ダウンになれば差は殆どでない。

つまり厳冬期シュラフでのULは性能限界にあるため難しく、工夫次第では軽量化できる余地はあるものの大幅な軽量化には至らないケースが多い。

たとえば、ナルゲンボトルにお湯を入れて湯たんぽを作ったり、カイロなどで工夫することでシュラフの軽量化を行うこともできる。

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エスケープビィビィなどをさらに上に被せると+3度ぐらいは上がる。冬の結露は凍結しテント内は雪だらけのような状態になるので濡れる事も防げる。

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暖かさを追求するにはダウンだけでは不十分

一見すると高性能なダウンであればどこに行っても温かいと思われがちなのだが現実はそうではない。

ダウンは空気の層を形成しそれを体温で温めることで保温する。保温のためダウン自体に発熱する要素はなく体温がなければ暖かくはならない。

そこで一時的に体温などを上昇させるのが前述したような湯たんぽだったりカイロだったりする。

では背中はどうだろうか。背中はダウンが押しつぶされ空気の層がほぼなくなるためオーバな表現をすると暖かさとしては薄着が1枚敷かれているのと同等になる。まったく暖かくない。

そのため下からの冷気をシャットアウトする必要があり、直接体温が吸収されていく部分であるため徹底しなければ凍える夜を過ごすことになる。

冬山には冬山のマットが必要

かさばらないクローズドセルのマット(山と道のMinimalist Padかビッグアグネスのマットが最適)とインシュレーター(ダウン)入りのマットを2重で敷くと地面からの冷気をシャットアウトできかなり温かいのが個人の経験だ。

最近のインシュレーターマットは高性能なため単体でもそれなりに温かいのだが、エアー式なためパンク防止という観点でも一枚下にあると安心だ。

これらのマットもダウンが入っており、エアー式のマットとダウンの効果を発揮できるように作られている。

まれにコットを持ち込もうとする人がいるのだが、コット自体は遮熱性はなくコットと床(地面)に冷気の層ができるためマットなどの遮熱対策をしなければ寒い思いをする。

コットを持ち込む場合は床にマットを敷くのではなくコットに敷くことと、コットは体重が足の部分に集中するためテント内で使うと高確率で穴が空いてしまうため工夫が必要だ。

そう考えるとコットの優位性は寝心地以外ないので、その重量分夏用のダウン持っていって二重にできるのではないか?などの別の手段を講じたほうがメリットがある場合が多い。

ダウンと化繊ダウン

ここでダウンという言葉を使っているものは全て天然ダウンである。

化繊ダウンはmont-bellのエクセロフトやアメリカが開発したPRIMALOFT(プリマロフト)があり、化繊ダウンは重さ以外は登山者にとって有利な面が多い。

プリマロフトは3つのカテゴリーがありPrimaLoft Gold Insulation、PrimaLoft Silver Insulation、PrimaLoft Black Insulation、Goldが最も暖かく550FP程度のパワーを発揮できるとされている。この550FPは冬山には性能が低すぎるので春夏など10℃を下回らない環境を想定していると思われる。

重さを気にしなければmont-bellのエクセルロフトがコスト的にバランスが取られており濡れに強く洗えるため初心者にも扱いやすいのだが、ダウンと比べると倍以上の重さがあるため重さという観点では扱いづらい。

筆者が愛用するのはNANGA

NANGAは近年アパレルも出すなど登山者以外にも馴染みがあるメーカとなったジャパンブランドだ。

NANGAは1941年に創業した、1979年に創業したシュラフの二大巨頭が存在しており高品質なダウンが世界で見るとお手頃な価格で手に入る恵まれた環境なのだ。

AURORA light 750 DXの特徴

f:id:koujirou6218:20181120115241j:plain首から肩にあるロフト

NANGAの特徴はなんといっても永久保証だろう。その次にあるのがダウンの増量(モデルによるので確認が必要)だ。

通常ダウンだと首と肩に空間ができてしまうのがここが結構冷気を感じてしまうことがある。

NANGAはそこにロフトを作ることで首や肩も保温しているのでこれが非常によくできており快適。

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左からlocusgerのテント、フライシート、春夏用culumusのシュラフ、そしてNanga。

厳冬期用のシュラフはとにかく大きい。

ローカスギアのテント、春夏用のシュラフを比較すれば一目瞭然だろう。

性能

  • -8℃ / -16℃
  • FPが異なるDX版とSPDX版がある?
  • オーロラテックス(防水、透湿) → 加工ではないため経年劣化が起きにくい
  • 台形ボックスキルト

eVentシルコンプレッサー Mサイズだと750DXも入れやすくコンプレッションしやすいです。

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実用レビュー

登山ではなくキャンプで使ったのだが、氷点下5℃はまったく寒くなく服装も普段着だ。

THERMARESTのクローズドセルを敷いていたのだが凹んでいる部分とシュラフで隙間ができ結露しておりそれが凍っていた。

シュラフ自体はオーロラテックスの防水素材で濡れはまったくなかった。